ダンジョン設計の定石
資材ピースの置き方そのものは構築のコツのページで説明しました。ここではその一段先、どう組み合わせると遊ばれる坑道になるのかを扱います。
前提として、坑道の良し悪しは強さでは決まりません。誰も踏破できない坑道は、そもそも挑まれなくなります。目指すのは「惜しかった、もう一度」と思わせる坑道です。
深度は遠回りで稼ぐ
深度は入口からの直線距離ではなく、実際に歩く道のりで決まります。同じ敷地でも、まっすぐ掘れば深度は伸びず、蛇行させれば伸びます。これが設計で最初に効く原則です。
狭い敷地しかない序盤ほど、この差は大きくなります。3かける3の敷地でも、L通路で折り返しながら掘れば、直線で掘るより深い位置を作れます。深いマスには強い種族が湧くので、敷地を買い足す前にまず導線を見直してください。
ただし、ゴールまでの道のりが長いほど挑戦者の消耗も増えます。深度を稼ぐことと踏破されやすさは反対方向に働くので、伸ばしすぎると公開の判定に引っかかります。
評価は種類を散らす
評価は部屋や罠を置くと上がりますが、種類ごとに数えられる個数の上限があります。1D小部屋は2個まで、広間は3個まで、宝部屋と王の間は1個までです。同じ部屋を並べても、上限を超えたぶんは評価に反映されません。
したがって、評価を伸ばしたいなら種類を散らすのが正解です。小部屋を4つ置くより、小部屋2つと広間1つと噴水広場1つを置いたほうが合計は大きくなります。上限が小さい部屋ほど1個あたりの価値が高いとも言えます。
王の間と魔晶の大部屋は評価が2点入る特別枠です。特に王の間は、その部屋で湧く個体のレベルを2つ上げます。奥に1つ置くと、最後の関門として機能します。
罠は組み合わせで効く
デバフ通路は、単体で置くより組み合わせたほうが効きます。中でも要になるのが惑わしの通路です。踏んだ挑戦者を2回に1回の確率で来た道へ引き返させるので、すでに踏んだ罠をもう一度踏ませられます。
たとえば、棘の通路を並べた先に惑わしの通路を置くと、引き返した挑戦者は棘をもう一度通ることになります。棘は重ねがけで効き、攻撃力を最大47パーセントまで下げるので、この往復だけで削り切れることもあります。
呪詛の回廊は被ダメージを増やす罠なので、モンスターが湧く部屋の手前に置くのが定石です。逆に、部屋の奥に置いても効果を発揮する場面が減ります。毒霧の通路は通過後3歩ぶん削り続けるため、長い直線の入口に置くと無駄がありません。
蜘蛛糸の通路は少し性格が違い、そのマスの移動疲労を10倍にします。ダメージではなく歩数の消費を跳ね上げる罠なので、ゴール直前の1マスに置くと効きます。
公開ラインとの折り合い
公開できるのは、あなた自身の最高到達レベルで踏破したときの予想残りHPが30パーセント以上ある坑道だけです。罠を盛りすぎると、自分でも通れない坑道になって公開できません。
この制約は窮屈に見えますが、実は設計の指針として使えます。判定に使われるのは最高到達レベルなので、レベルを上げれば同じ坑道でもより厳しくできます。つまり、坑道を強くしたければ先に自分が強くなる必要があるという順序です。
引っかかったときは、罠を一気に減らすのではなく、1つずつ外して試してください。どの罠がどれだけ消耗させているかが分かるようになります。公開は1日10回までなので、闇雲に試すより1回ずつ意図を持って変えたほうが早く仕上がります。
初心者が陥りやすい形
最も多いのが、入口からゴールまで一直線に掘ってしまう形です。深度が伸びず、評価も上がらず、湧きも寂しくなります。まずは折り返しを1回入れるところから始めてください。
次に多いのが、同じ部屋を並べてしまう形です。評価の上限があるため、見た目のわりに評価が伸びません。部屋を買い足すときは、持っていない種類を1つ選ぶほうが効率的です。
大部屋の床だけで囲ってしまい、出入りできない空間を作ってしまうのもよくある失敗です。床同士はつながりますが、外の通路とつながるのは扉だけなので、必ず扉を1つ以上入れてください。
最後に、一度作って公開したまま放置してしまう形です。日報には、誰がどこまで進み、どこで力尽きたかが毎朝届きます。全員が同じ場所で倒れているなら、そこが理不尽になっている合図です。逆に全員が無傷で抜けているなら、手ごたえが足りていません。坑道は一度で完成させるものではなく、読んで直していくものです。